修大熟議プロジェクト2030

修大熟議プロジェクト2030に、HiBiSとして民間代表の立場で参加してきましたが、最終報告(2012/12/8)が修道大学で行われました。私共が参加させて頂いていた「ICTを活用した地域社会を考えるプロジェクト(脇谷グループ)」は3位の成績で幕を閉じました。産学官で地域の課題を考える試みとしては、とてもユニークで今後の発展を期待するプロジェクトの結果となりました。因みに最優秀賞は、「法学部生が考える地域発展のためのスポーツ・ビジネスの課題と対応(田邉グループ)」でした。この発表が一番ビジネスプランとしてのまとまりはありました。
折角なので、参加チームの内容を紹介しておきます。

■広島市五月が丘団地における住民生活の諸課題への対処法(川瀬グループ)
広島市の多くの住宅団地では、自家用車を移動手段とした生活スタイルが想定されていたため、高齢化によって生活環境の悪化が懸念されている。また、人間関係の希薄さが指摘されており、町内のコミュニティの強化も課題となっている。そこで広島市佐伯区五月が丘団地を対象に、現状把握のための地域調査と分析により問題点をあぶり出し、課題への対処の方策を考えていく。

■“あたたかな”中小企業マネジメントと地域社会の活性化(木村弘グループ)
“あたたかな”とは、顧客・従業員はもちろん、地域の人々との関わりも大切にする、包括的な概念。
人を大切にする地域の中小企業が商品・サービスや雇用を創出し、永続的な存在として地域活性化に寄与している経営を調査。企業訪問やアンケート調査を実施し、「持続可能なまち」における“あたたかな”マネジメントの役割を考える。

■コンテンツに隠れた広島再発見の旅っ!(富川グループ)
湯来温泉、呉市内、御手洗の3地域を取り上げ、コンテンツツーリズムという共通のテーマによる観光の実態、およびその他の観光資源について調べる。担当の地域によって異なるが、観光コースやルートづくり、フェイスブックによる情報発信や情報収集、パンフレット作成などを通じ、文献研究や調査内容、課題や提案などをまとめる。

■まちなか寺子屋 in 廿日市市(木村恵子グループ)
廿日市市では、地域による学校支援の組織として学校支援地域本部を設置し、学区内の学校支援ボランティアによる子どもの学習支援や学校教育支援に取り組んでいる。この廿日市市の事例が地域全体で支えられ持続発展するにはどのような要素があればよいか、また、若者がどのように関われるかについて提案・協議し、実際に学校支援地域本部の活動に参加する。

■未来へつなぐ公民館HAPPYプロジェクト(ハピプロ)(山川グループ)
公民館が持続可能なまちづくり支援施設であり続けるためには、次世代を含むより多くの住民がまちづくりの担い手としての当事者意識を持ち、行動できるように、支え育むことが必要だと考える。そこで、公民館活動を通して、現在地域が抱える課題を見える化し、それへの解決策を、地域の大人と子ども、大学生が共に考えアプローチしていくことで、地域の実情に合わせた課題解決とまちづくり当事者の多様化・拡大化をねらう。

■法学部生が考える地域発展のためのスポーツ・ビジネスの課題と対応(田邉グループ)
広島市が掲げる新しい『スポーツ王国広島』創造によるまちづくりを実現するためには、企業や団体による活動を抜きにして考えることはできない。その実現のためには、スポーツに関わる企業や団体の活動が適正に行われることが不可欠である。そこで、法律学専攻学生の視点で、地域の課題を吸い上げて、検討プロセスに法律学の学修成果を織り込んだ上で、課題を解決するための手法を提言する。

■ICTを活用した地域社会を考えるプロジェクト(脇谷グループ)
ITやICTを地域でどう利活用するかが重要な課題となっている。また、それらを支えるために、高度な知識や技術を持つIT人材が求められている。そこで、地域のためにICTをどう活用すべきか、スマートデバイスを活用するならば、どのような地域活性化につながるサービスやアプリを考えられるのか、について学生が主体的に提案する。

■森林セラピー事業モニタリング活動(長谷川グループ)
現在、広島県の中山間地域に位置する安芸太田町は、地域づくりの一環として自然環境を健康に生かす「森林セラピー基地」構想を推進しており、2012~2013年にはその本格運営開始を目指している。このプログラム開発に1年程度実施されるモニタリングツアーの一部に参加し、学生が交流プログラムを具体的に提案することで、安芸太田町の地域づくりに参画する。

■武田山の魅力発見・発信プロジェクト 一都市近郊里山のこれからを考える(松川グループ)
武田山をはじめとする都市近郊里山では、若年層の里山についての認知不足、そして里山保全ボランティアの高齢化など様々な課題を抱えている。そこで、どうすれば若年層が里山へ興味関心を持つようになるのか、そして里山整備が持続可能になるのかという視点から、武田山について、地域団体等と学生が武田山の魅力を情報発信する環境を整備する方策を考える。

■”広島の地域ブランド価値を高めるための戦略を考える ~広島県を“おしい!”と言わせないために~”(三浦グループ)
広島の雇用を創出し、経済を活性化して、自分たち若者が今後も広島で幸せに活きていけるようにしていきたい。そのために、キーワードである“外国人”、“水に近しいライフスタイル(川と瀬戸内海)”、“自転車”、“女性”、“地酒”などを切り口に、地元「広島」の持っている他地域と差別化できる【本当の価値】の他地域に向けたアピールの方法を考え、取り組む。

※「熟議」とは、多くの当事者による「熟慮」と「議論」を重ねながら政策を形成していくことです。その「熟議」という手法を用いて、広島が、大学生をはじめとする若者たちにとって2030年になっても住み続けたいと思うことができる”持続可能なまち”であるために、地域課題を抱える当事者や違った視点を持った多くの市民が一堂に会し、その地域課題の解決を目指して、ともに熟慮と議論を重ねます。その後、熟議した広島をめぐる地域課題について、大学と地域が協働で解決策を調査・研究します。そして、約半年後の12月にはその成果を発表します。

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