ISOのそれぞれの規格の標準化に伴い、2015年辺りに規格改定が予定されています。その骨子が明確になってきましたが、予測される改訂のポイントとしては、
・組織の内部・外部環境の把握の追加(4 章)
・“intended outcome”の考えの導入。マネジメントシステムを構築運用する組織が、マネジメントシステムの構築運用で“意図する成果”は何かを明示することを規定。
・リスクの概念の導入。ISO 31000 に規定するリスクの概念をベースに中核の定義を規定。
ただし、マネジメントシステムごとに分野固有のリスク(例えば,環境リスク)を定めることも可能。
・予防処置(preventive action)の用語の削除。概念としての予防処置を新たに計画段階等にも入れ込んでいる。
・文書(documentation)・記録(record)の用語を、“文書化された情報(documented information)”という用語へ。
欧米各国からの提案、及び文書・記録管理に関する国際標準化を行っている ISO/TC46による賛同もあり、これまで使用された文書化(documentation)及び記録(record)を“文書化された情報(documented information)”に変更。
が挙げられており、2008年のマイナーチェンジに比べると構成自体も大きく変わっており、新たなプロセスや考え方の導入が必要になってきます。
具体的な、章立てとしては、
1.Scope(適用範囲)
2. Normative references(引用規格)
3. Terms and definitions(用語及び定義)
4. Context of the organization(組織の状況)
4.1 Understanding the organization and its context(組織及びその状況の理解)
4.2 Understanding the needs and expectations of interested parties(利害関係者のニーズ及び期待の理解)
4.3 Determining the scope of the XXX management system(XXX マネジメントシステムの適用範囲の決定)
※ XXX には環境、品質など、対象となる各マネジメントシステム分野(discipline)の名称が記述
される。
4.4 XXX management system(XXX マネジメントシステム)
5. Leadership(リーダーシップ)
5.1 Leadership and commitment(リーダーシップ及びコミットメント)
5.2 Policy(方針)
5.3 Organizational roles, responsibilities and authorities(組織の役割、責任及び権限)
6 Planning(計画)
6.1 Actions to address risks and opportunities(リスク及び機会への取組み)
6.2 XXX objectives and planning to achieve them (XXX 目的及びそれを達成するための計画策定)
7. Support(支援)
7.1 Resources(資源)
7.2 Competence(力量)
7.3 Awareness(認識)
7.4 Communication(コミュニケーション)
7.5 Documented information(文書化された情報)
7.5.1 General(一般)
7.5.2 Create and update(作成及び更新)
7.5.3 Control of documented Information(文書化された情報の管理)
8. Operation(運用)
8.1 Operational planning and control(運用の計画及び管理)
9. Performance Evaluation(パフォーマンス評価)
9.1 Monitoring, measurement, analysis and
evaluation(監視、測定、分析及び評価)
9.2 Internal Audit(内部監査)
9.3 Management review(マネジメントレビュー)
10. Improvement(改善)
10.1 Nonconformity and corrective action(不適合及び是正処置)
10.2 Continual improvement(継続的改善)
が基準となっており、それぞれの規格に応じて具体化される予定です。ネットスクエアでの今後の改定状況を踏まえてアナウンスしてゆきますが、移行のスキームが出た段階で説明会を開催する予定です!