ISO 22000の構築手順の8ステップ 8/8
ネットスクエアが中国支部を担っている日本ISOコンサルティング協会(JICCA)の石井俊彦氏が「ISO 22000の構築手順の8ステップ 8/8」についてまとめています。
ISO 22000の構築手順の8ステップ 8/8
STEP1:基本 キックオフ~食品安全チームの上手な情報管理とは
STEP2:準備 構築の体制づくり~文書・記録を使いこなそう
STEP3:抽出 現状を見直す~フローダイアグラムの記載事項と目的
STEP4:評価 食品ハザードを防ぐために~ハザードの管理はこう考える
STEP5:計画 具体的計画へ~管理基準の根拠と結果を考える
STEP6:実施 適切な運用のために~ISO22000を運用する為のマニュアル作り
STEP7:監視 工程図どおりの運用~監視活動をレベルアップさせる
STEP8:更新 システムをよりよく機能~ISO22000の継続的改善の考え方
STEP8:更新 システムをよりよく機能~ISO22000の継続的改善の考え方
ISO 22000の継続的改善
ISOの特徴として『継続的改善』があります。
組織に何らかの仕組みを根付かせたり、組織をレベルアップさせたりするのは短期間では行えないため、段階的に目標を定め、組織の状態を少しずつレベルアップさせていく―これが継続的改善です。
ISOシステムでは、システムを作り、それを運用すること以上に、『続ける』ことを目指しています。
しかし、ISO 9001やISO 14001等と、ISO 22000では、『継続的改善』に対する考え方が若干違います。
ISO 9001、ISO 14001等では、「売上を伸ばす」「不良率を少なくする」等の『継続的によくしていくための目標』を明確にしています。
それに対しISO 22000では、『よくしていく』ことを目標としていません。
そもそもISO 22000そのものが『食の安全』という目標を達成するものになっているからです。
といっても、今の状態で食品安全に問題がなければ改善しなくてもよい、ということではありません。
今の状態で問題がなくても、もっと他によい方法はないのか?
もっと効率的でもっと確実な方法はないのか?
それを追求していくのが、ISO 22000における『継続的改善』です。
変化する食品衛生の世界の中で食品衛生の世界では、新たな細菌が生まれたり、規準が変化したりします。
例えば、20年前にO-157のことを知っていましたか?
細菌は環境変化に合わせて進化していきます。
昔の衛生管理を基準にしてこれまで問題なかった、ということは通用しなくなっていきます。
また技術の進化により、5分間でできる衛生検査キットなど、新しい技術に基づく検査技法の開発や衛生管理の考え方も生まれてきています。