ISO9001:2015における設計・開発の考え方

ISO9001が2015年版に改訂され、要求事項に対する適用除外の考えがなくなりました。
そこで、これまで設計・開発の要求事項を適用除外していた組織においては注意が必要です。

以下の、「製品及びサービスの設計・開発(8.3)」についての質疑応答の内容です。

【質問】
設計・開発の定義が、「要求事項を、製品、プロセス又はシステムの、規定された特性又は仕様書に変換する一連のプロセス」から、「対象に対する要求事項を、その対象に対するより詳細な要求事項に変換する一連のプロセス」と変更になる。「設計・ 開発」の適用可能性(適用除外)の考え方に影響が出るのか。 また、建築・土木業で、施工のみを請け負う場合、顧客の図面で業務を行うので、設計・ 開発は適用除外するという場合があるようだが、これは認められるのか?

【回答】 8.2 項で明確にした製品・サービスに関する要求事項だけで、8.4 項以降に関わる製品・サービスの提供がそのまますぐにできるという状態であるなら、設計・開発プロセスは無く、8.3 項は適用不可能(適用除外)と言えるだろう。現実的には、多くの組織では、8.2項で明確にし た要求事項を「より詳細な要求事項に変換するプロセス」を経なければ、8.4項以降に関わる 製品・サービスの提供を行うことはできないだろう。
建築・土木業で施工のみ行う組織の場合、その組織にとっての製品・サービスとは何かを考える必要がある。その組織が顧客に提供している製品・サービスが「施工」というサービス提供であり、自身で施工計画を作っているような場合、設計・開発の適用除外は認められないだろう。
なお、8.3項は製品・サービスの設計・開発に適用されるが、工程設計(製造及びサービス提 供に関するプロセスの開発)に適用することもできる。

(Q&A は、2015 年 7 月 14 日及び 23 日に実施された ISO 9001 改訂セミナーでの説明)

ご不明な点がある場合は、2015版への移行も前に是非ご相談下さい!

コメントは受け付けていません。

Categories
Bookmarks
Search
Archive